我が国の社会資本ストックは、相当な規模にのぼっており、高度成長期に整備された大量の社会資本ストックの老朽化が進み、近い将来、集中的に多額の更新投資等が必要とされる事態が懸念されています。設置後40年を超過する施設は、2008年で25%となっており、今後10年間で50%に増加することが予測されています。
河川管理者は、河川が適正に維持されるための管理基準を踏まえ、日常管理はもとより危機管理の観点からも、効率的で的確な河川管理を行っていくことが不可欠とされています。この場合、できるだけ早期に適正な管理基準を設定・獲得し、その基準より得られる安全性の維持を効率的に行うことが求められています。こうした問題に具体的な取り組みとしては、まず河川管理上の機能確保の原点から管理・点検項目を再設定した上で、現状調査により健全度を把握するとともに、予防保全対策を考慮したLCC(ライフサイクルコスト)分析を行って将来の維持管理費が最小となるように、施設の効率的な維持管理計画を立案します。